日本に於けるホログラム研究の草分けとして、多くの新しい研究開発を行い、更には教育面においても多くのホログラフィー研究者を輩出した。
また、ホログラフィックディスプレイ研究会においても創立時から関わり、会の発展に尽くした。
これらの功績は非常に大きいものと思われる。
日本におけるホログラフィー関係の研究・発展状況を、1964-1974の11年間にわたって概観。この時代は、ホログラフィーにレーザーが導入され、新しい光学技術として発展を始めた時期であり、ホログラフィーの歴史においては基礎理論や、新技術、新しい応用の着想が続出した時代であって、ある意味ではホログラフィーの歴史における黄金期である。
しかし、この時期は日本にとってはホログラフィーが導入され、その研究が始まった時期であり、ホログラフィー発展の黎明期に当たる。これを年代に従ってその歴史を解説。
辻内 順平(ツジウチ ジュンペイ)
東京工業大学名誉教授 
経歴: 
1951年  東京大学理学部天文学科 卒業 
同年   工業技術院機械試験所入所 
1958年         
光学研究所(フランス・パリ)留学 
1960年         
帰国 
1962年         
工学博士(東京大学) 
1967年         
東京工業大学教授 
1970年         
応用物理学会光学懇話会幹事長 (1972年まで)
1972年  アメリカ光学会(OSA)フェロー 
1975年         
国際光学委員会(ICO)副会長(1981年まで)
1981年         
国際光学委員会(ICO)会長 (1984年まで)
1982年  天津大学(中国)客員教授
1986年  応用物理学会副会長 (1988年まで)
1988年         
東京工業大学定年退官・東京工業大学名誉教授 
同年    千葉大学工学部教授 
同年    応用物理学会会長(1990年まで)、日本印刷学会副会長 (1990年まで)
1990年  国際光工学会(SPIE)フェロー 
1993年          
千葉大学定年退官 
1994年          
日本医用画像工学会会長(現在に至る)
1999年  英国物理学会(IoP)フェロー
賞罰: 
1962年         
光学論文賞(応用物理学会) 
1970年         
技術賞(日本写真学会) 
1987年         
SPIE会長特別賞(SPIE,アメリカ) 
1988年         
J. Petzval賞(OAFS, ハンガリー) 
1995年          
藍綬褒章
1996年          
名誉博士 (INAOE, メキシコ)
1997年          
C.E.K. Mees
Medal (OSA, アメリカ)
 
日本のホログラフィーについて貢献が有った方を顕彰すべきであるとの考え方で、今回HODIC会長より、HODICにおいてこのために賞をもうけたらどうかとの提案がなされた。
この提案をもとに幹事会において議論を重ねた結果、これをHODIC特別賞として実現することになり、幹事会で承認された。
従って、今回が最初の授賞になる。